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祖母のいたずら

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父方の祖母が亡くなってからもうたぶん10年位経ちました。

学生時代にアメリカに行きたいと言えば、やめた方がいいとこっそりアドバイスされ、中国に留学したいと言えば大反対だとやっぱりこっそり意見されました。

こっそり、というのは、今思えば父や母が賛成しているかも知れない以上真っ正面からは言えないという遠慮だろうと思います。二階の父の部屋に連れて行かれて、一対一で話をされた事を今でも覚えています。

祖母は台湾育ちでした。そのせいか、イカスミやらビーフンやらライチやら、そんな食べ物を好んで食べていました。ちなみに我が家はオートミールが朝食に出ることもあり、父は好物でしたが、逆に父はビーフンは大嫌いでした。子供の頃から事ある毎にビーフンが出るので飽きてしまったようでした。

祖母は本が好きで、部屋には万年床の周りに小説が山積みでした。我が家で寝泊まりしていた頃は、きれい好きな母が毎日嫌そうな顔をしていたことも覚えています。でも祖母は母の手料理が大好きでした。

祖母は喫煙家でした。父も吸っていたので、我が家では祖母の喫煙が許可されていました。小さな体で一生懸命背伸びして、換気扇の紐を必死にひっぱっていた姿を思い出します。祖母がこっそりタバコを買いに行った時、道に迷ってしまった話もしてくれました。近くを通りかかった人に◯丁目◯区の町内会長の家に帰りたいというと、その方がとても丁寧に家まで送り届けてくれたという話を自慢げに色々な方にしていました。お隣のお爺ちゃんが、祖母の事を好きなのかも知れないと言った事もありました。

父の兄弟にとって祖母はちょっと手に負えない母親なのかもしれないという気もしていました。

突然宗教に入ったり、何かの折に「生きて生きて生き抜いてやる!」と啖呵を切った事もあったし。

とはいえ、私にとっては大好きなおばあちゃんでした。

 

祖母が亡くなる時、私は北京から福岡に戻りました。母からの連絡があったからです。

あれだけ気が合わないと言っていた母が最後は毎日のように病院に通っていました。

ヨーグルトを買って行ったりプリンを買って行ったり、しゃべる事もできなくなっていた祖母を相手に毎日のように話をしていたようです。

祖母と顔を合わせた次の日、病室へ再び行ってみると祖母の病室にはお医者様や看護師さんたちが数名忙しそうにしていらっしゃいました。器具を外しているのが見えたので、何か起こったのだと思いました。

部屋に入ると、お医者様が祖母は数分前に息を引き取ったと教えてくれました。

 

2012年に入り、私の身の回りには色々なことが起こりました。

助けてくれる人は沢山いたのですが、どうしてこんな事になるんだろうと思うようなことばかりでした。

尖閣諸島問題なども起こり、何もかも実感がわかないまま日々が過ぎていました。

そんなある日、夢に祖母が出てきました。

最初は夢だと分かっていたので、助けに来てくれたのかと思ったりもしました。

祖母は夢の中でしきりに喉が渇いたと訴えました。

私はだんだん夢だと思えなくなって、北京で一緒に住もう、私が何とかするからなどと言っていました。

目がさめると、それはやっぱりものすごく後味の悪い夢だと気付きました。夢じゃなかったとしても祖母が私を助けられることなどあるわけなく、助けに来てくれたのだと一瞬でも思った自分が恥ずかくなりました。何となく重い気分になってしまい、これが夢でよかったと自分に言い聞かせていました。そのあとすぐに母に電話をしました。

 

それからは、毎日お水を置く事にしました。

とりあえず祖母が喉が渇いたと言って夢に出てこないように。

新しい水をいれた入れ物を置く際には、変な事せんでね〜とお願いします。

虫の居所が悪くて何かやられたら困りますから。

実は最近、そうやってお願いしていたはずのことが現実になってしまった事がありました。

事実に気づいた時、とっさに、これはおばあちゃんがやったに違いないと思ってしまったので、それ以降は頭では自分がやった事だと分かっていても、心ではおばあちゃんのいたずらだと思ってしまいます。

反省すべきことはしなきゃいけないけど、これは確かに勢いというかタイミングも必要だったといえば必要だったわけで、この結果に感謝しなさいと言われそうなことでもあります。

現在進行形となった出来事がどうなっていくのか・・・私はただただ必死に毎日お水を換えるのみです。

 

亡くなった後の方が存在感が大きい祖母の話でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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